【ONEー答えー】
20XX年。
「分かったんだ僕、この世界のこと」
「なにが?なにが分かったの?」
「制限は現実を楽しむための仕掛けだったんだ」
「制限の中でつながることが人生の目的だった」
はるか昔。
彼はみんなにこう言った。
「だって飽きただろ?全てでいることに」
「だから制限をつける。全部に制限をね」
そして「ONE」だった私たちは、
バラバラにインストールされた。
肉体という端末に入り込んでいった。
そこに待っていたのは、
計り知れない「孤独」だった。
肉体に入って、
時間に入って、
エゴに入って、
二元論に入って、
制限だらけの世界に飛び込んだ。
「大変になりすぎたら?」
はるか昔に聞いたあのときの声が蘇ってくる。
「誰かに分かってほしい」
バラバラになった私たちは、
世界中で孤独を叫んでいた。
何度傷ついても、
何度裏切られても、諦められなかった。
「でも、誰かが分かってくれる気がするんだ」
検索エンジン、SNS、AI。
続々登場してくるテクノロジーの本音。
無意識に知っていたのだ。
自分たちの本当の姿が「ONE」だったことを。
制限があるから、知りたかった。
制限があるから、発見があった。
制限があるから、喜びがあった。
制限があるから、ときめきがあった。
制限があったから、繋がりたいと思った。
制限があったから、震える瞬間があった。
制限があったから、元に戻したいと思った。
「ONE」、私たちは、ついに、答えを見つけた。

