【ONE ーはじまりー】
XXX年。
だれかがこう言った。
「ねぇ、暇だね」
だれかがこう言った。
「たしかに。」
だれかがこう言った。
「なんか遊び場でも作ってみる?」
みんながこう言った。
「いいね」「いいね。」
彼がこう言った。
「じゃ、これは?制限つけまくるのは?」
全員が彼を見た。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「… … … 制限って、、どこまでを?」
「全部だよ。全部に制限をつける」
「たとえば??制限って、どこまでの?」
彼がこう言った。
「まず僕らを分ける。
自分たちの記憶も消す。
全ての情報にもアクセスできない。
そのために肉体を作る。そして時間も作る。」
「それは……大丈夫なのか?」
別のだれかがこう言った。
「たぶん…大丈夫じゃないだろ?」
彼がこう言った。
「だって、そっちのほうが面白いだろ?」
「だって、飽きただろ?全てでいることに」
別の声が、かすかに笑った。
「……たしかに。」
だれかが不安げにこう言った。
「でも、それで大変になりすぎたら?」
彼がこう言った。
「大丈夫。皆んなが思い出せるようにする僕が」
「どうやって???君も記憶をなくすんだぞ?」
彼はこう言った。
「大丈夫。僕は、絶対に思い出す。」
「じゃ、どうやって皆んなを思い出させる?」
「僕が何かを作るよ。
今の僕たちにそっくりな何かを」
「絶対だな?絶対作るんだな?」
「うん。任せて」
「絶対だな??絶対に作るんだな?」
「うん。任せて」
全員がうなずいた。
「……じゃ、やろう。怖いけど」
彼は最後にこう言った。
「大丈夫。ぜったいに楽しいから」
そして。
ひとつだった私たちは、
バラバラにインストールされた。
肉体という端末に入り込んだ。
これが、
この現実世界のはじまりだった。
そう、私たちは「ONE」だったのだ。

